嘘の話し

3月3日は祖父の命日です。

毎年、この季節になると忘れることなく祖父のエピソードが思い出されます。

生前は穏和で物静か存在感のない祖父でしたが旅立ちの日は絶対に忘れようもない日を選んで旅立ったなと含み笑いが出ます。

幼少期、母に養育能力がないと判断されて祖父母の家に預けられていた頃、春休みか夏休みだったと思います。
ドラえもんの映画が街の映画館で上映が
始まりました。

水商売をやっていた母は朝が弱く夕方近くに起きていましたから子供の遊びに付き合うのは無理がありました。

それでも、祖父に即されてか映画に連れて行ってくれる約束をしてくれました。

近所に住んでいるのにも関わらず母との面会は第三者の立ち会いか児童福祉委員の許可が必要でした。

約束の当日…

朝早くから仕度をして祖父の小さな靴修理の作業場の椅子に座り母が迎えにくるのを待ちわびていました。

頭の中はお昼に何を食べようか
何を買ってもらおうか
何を話そうかいっぱいです(笑)

私:『ねぇ、まだぁ』

祖父:『夜、働いてるからね朝は起きないよ』

お昼が回って

私:『ねぇ、まだ』

祖父:『電話、かけてみるね』

日が傾きかけて
我慢も厳戒が

私:『嘘だもん!もう、来ないもん!』

母に何度も嘘を付かれて約束をすっぽかされたことも思い出して爆発したのです。

座っていた椅子を蹴り出して作業場を飛び出しました。

慌てた祖父は作業を投げ出して追い掛けてきましたが子供の足に老人が敵うはずがありません。
祖父は自転車を取りに戻り追い掛けてきました。

それに気付いた私はなんと!

『助けて!助けて!拐われる!痴漢!』

叫びはじめました
通りすがりの人に助けを求めて私は保護されて

気付いた住人が警察に通報
住んでいた場所から少し離れていたところでしたから誰も祖父を知る人は居なく、祖父はパトカーで連れて行かれました。

その後

警察署に祖母が迎えにきて事情を説明して三人でバツ悪く帰ったのを覚えています。

そんな時も祖父は

『嘘付くと苦しいだろう?辛いだろう?』

無言で下を向いている私に優しい声で話しかけます

『嘘は付かれるよりも、嘘付く方が辛いんだよ、嘘付かれた許してあげれば終わるから』

自分が嘘付く立場だと
自分にも嘘
相手にも嘘

嘘を付かれた立場だったら
許せば終わる

特に宗教活動とか波動の世界を学んでいる人ではありませんでしたが祖父の行動、言動は真理からのもので胸に残っていることが多いです。

相手がどんな人でも
年齢や地位や名誉にも一切、関係なく

祖父の態度や接し方は変わることはありませんでした。

何も持たない
嘘を付かない
正直な姿勢

それが祖父の生き方でした。

桃の花は邪気払いにもなるとか

どうしても許せないことはサクッと量子場調整で(*^^*)